外反母趾を手術しても問題は解決しない時がある~全体像を見ていない対処の結末
わたしが開業に至った経緯に関する一例、訪問リハビリのご利用者様のことを書きます。
ケアマネジャーさんからのオーダーは、「転びやすくなったので歩行練習をお願いします。」でした。いざ練習開始。
ところが!
「腰が痛い。」「足が痛い。」「肩が痛い。」・・・歩行練習どころじゃありません!
室内履きを脱いでもらって、びっくり!
足ゆびがぎゅっと丸まり、いたるところにタコ、魚の目、関節ゆるゆるの扁平足、踵のズレ、外反母趾・・・これで安定して歩けますか?
その室内履きは常に履いていて、それを脱いだら足裏が痛い!床を踏めない!と。皮膚はすでに痛みの過敏状態に陥っていました。
1年半前に外反母趾の手術をした病院で購入、それ以来毎日一日中履き続けてきたそうです。
(これって足に合ってるの?)ふと思い、手に取ってみました。
(うん?)
(ええええええーーーーーっ!!!!なにこの詰めもん????)
なんと!先端に厚さ1.5センチほどの固いスポンジが入っていたのです。
足のサイズと靴のサイズはちょうど。けれどもなんか踵がブカブカ脱げてくるので入れたらしい。(1年半前のことなのでよく覚えていないそう。)
室内履きの先端に詰め物をして踵がブカブカするのを止めていたわけですが、この時、押された足ゆびは曲がって丸まっていたのです。そして靴の布で圧迫されていました。
すぐに対処したのは言うまでもありません。
実はこの方、歩いていると足が靴の中で前滑りをするんです。なぜ前滑りするのでしょう?
そして病院で毎日リハビリを受けていたのに、前滑りに対処していなかったのです。誰も気づかなかったのでしょうか?
退院後の経過受診で医師にゆびが曲がってきたことを訴えたのに、なぜ原因を探ってもらえなかったのでしょう?
早くに対処していればこんなにひどくならなかったのです。
これは全体像でなく一部しか診ない治療の結果です。